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by nanook_mdfc5
no.694 のまど
小高い丘の上にたつ小さな小屋。
おじいさんがキリキリとまわしたオルゴールが日本のものとは似つかない、どこか哀愁を漂わせたメロディーを奏でる。
外ではヤギと子供が戯れて、今にも消えそうな薄っぺらな雲が遠い異国の空を目指して逃避していく。

北海道の東っかわ。
どこかわからない森の中にたたずむ廃校をアトリエとする家具職人のおじさんに話をきく。
釘を一本も使わずにやさしさを感じる家具を手がけるおじさんは、
想像もできないほどの土地を100万で買い、
その土地にあるなんとも雰囲気のある小学校をただでもらったのだという。
自分で家を立て、花を育て、カヌーを作って遊ぶんです。
人間が嫌いなんです。といっていた。

薄っすらとした硫黄の香りがする旅館に一泊した。
温泉は驚くくらいに透き通っていて
父親と小一時間、仕事の話や新居の話を交わす。
2年間の睡眠不足か、夜8時には就寝し、翌朝8時に目を覚ます。
朝のお風呂も凛とした空気がとても気持ちよかった。

会社を退職し、
引越しで東京-大阪間を1000km
東京から札幌までを1000km
札幌-帯広までを往復で400km?
そして、札幌から大阪までで1000km
合計3400kmほどの移動距離だ。

その間に読んだ本の感想を少しばかり。

【記憶に残るウェブサイト】
CBCの栗田君や山森君が作ったインタビューブック。
僕が働くこの業界のトップランカーたちの話がイッキに読めるので必読の1冊ではないでしょうか。個人的にWEB業界は、とてもクローズドな感じがしていて、それを変えていかなきゃいけないなと思っています。広告プロモーションにしてもプランニングにしても、この業界ですごいといわれている人の話を聴くだけではなく、まったくWEBとは関係ないフィールドから価値観をシフトするってことが大事になるんじゃないかと思う。
僕らが動かしたいのはユーザーのハートであって、毎日WEBを見ているクリエイターたちじゃない。この仕事をしているついついリッチコンテンツやデザイン、モーションに目がいきがちになるが、もっと根底の部分を見つめなおさなきゃと再確認させられる一冊。
制作スタッフの皆さん、お疲れ様でした。非常に勉強になりました。まさにごちそうさまです!という内容。

【Self-Reference ENGINE】
著:円城 塔
久々に手にしたSF小説。それほどSFは好んで読まないのですが、ジャンルという垣根を飛び越えて打ちのめされた一冊でした。
文学としてニューエイジを思わせる表現力と全体の構成。それらが魅せる世界観は、映像化が絶対に不可能なだけに文学の素晴らしさを露呈させます。
文脈と隣り合わせの私たちの想像力。コレを読んだ読者とどんな世界を創造していたか・・・一緒に呑んで語りたくなる。
哲学的で考えさせられる反面、その日本人なのか!?と疑いたくなるようなハイレベルなSF的世界観の構築。圧巻のひとこと。円城さんの文書を読みなれない方も多いかと思いますが一読の価値アリ。
by nanook_mdfc5 | 2008-03-23 22:23 | 日記
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