太った50過ぎくらいのおばちゃんが、
競泳用の帽子と水着、ゴーグルを頭にかけ、
こういう撮影はなれてます!的な嘘くさい笑顔で微笑んでいる。
小説も半ばにさしかかって自分が使っている「しおり」が下品なものだと気が付いた。
しかも、そのおばさんは豚の親方みたいにボテボテした二の腕で「セルフ・メディカル」とかかれた本を持っている(プールの中だというのに!)
目の前の本から適当にしおりを抜いて差し替える。
想像してみて、恋愛とかサスペンスとかハリーポッターみたいなファンタジーを読んで物語に酔っている時にちらりと見たしおりが、豚の女将さんなんだよ?
抜いた「下品なしおり」は、くしゃくしゃにして捨てた。
さっき食べたラーメンが腹に残っていてイマイチ動く気分にもならない0時に
写真を見直したり、雑誌を広げたり、お願いされてるデザインを進めたりしている。
明日も明後日も送別会だ。
そして、同期の子がうちのボスに「明日、時間ありますか?」と話していた。
イヤホンをさしていたけど、うっすらと会話は聴こえてきて、嫌な予感しかしない。
せっかく打ち解けた人たちが、毎月毎月やめていく。
そして会社は史上もっとも悪い業績で今期を終えようとしてる。
最近は、自分の信じることだけに一生懸命心血を注げたら良いのにと思う。
色々なものが新しい選択を余儀なくされている。
ボクもそれをとりまく世界も。