まるで神様の預言のよう。
携帯電話の小さな小窓に渦巻く台風のアイコン。
台風が近づいている。
関西を交わして東日本に直撃する破壊者は、結局、外出することのけだるさや、洗濯物をほせない苛立ちだけを生んで
無造作に木々を薙ぎ倒し、海を汚し、動植物をあやめる人間を壊すことはできない。
自然の力をもってしても米粒のような僕らを不快にさせることにしか満たない。
隣で時折顔を痙攣させる少年も
恐ろしくはげ上がったおじさんも
大音量で音楽を聴く僕も
台風をたぶん、なんとも思うことはない。
今日は満月。
空は曇り空だ。
見れるかな暗闇に開くひかりの穴。
あの空に浮かぶ小さな穴から
何かニョキっと顔をだすんじゃないかって
妄想を繰り広げた幼少期。
黒いものがぬるりと顔を出したかと思えば、それはフランスパンが怒ったように膨れた雲だった。
帰りの電車で痙攣しつづける少年に怯えながら日記をかく。
明日は東京にて打ち合わせ。
土日は東京の個展見に行く。
日本は東京を中心に回ってるとしか思えないけど、いつか大阪の田舎街から世界を動かすような仕事ができれば素敵だな。
意外と世界は押したら動くものだ。