東京を離れる数週間前に友達たちと
静岡を目指した。
別段、これを見たいというものもなく
夜中から永遠に車を走らせて
空が白らんできたころに駆け出した浜辺は
どこか世界の終わりのような美しさだった。
防波堤に乗って見渡した風景は
一面の水面で荒々しい白波が目の前まで迫ってきた。
その頃抱いていた
わずかな疑問は僕の中で肥大化し、
結論に至る。
人は気付かぬふりが上手な生き物だ。
それまでの日々を否定する訳でもない。
でも、見て見ぬ振りを振り返ったときの
自分の姿が残念で物悲しくなる。
決して真実だけを追うのが人生ではないが
自分に正直に生きることは
誰かに迷惑をかける結果となっても
やはり正しかったと思えるのであれば
僕はそれを選ぶことが自分らしく思った。
これからもずっとそうだけど。
自分が自分らしくあれるよう
自分の選んだ道が正しいと迷いなく言えることは
僕自身へのけじめなのだと思う。
今僕の脳裏に見えているヴィジョンはすべて現実に還元しよう。
そうなればいつぶっ倒れたってかまいやしない。
たぶん僕の投げかけなんかでも
世界や他人の人生は大いに輝かせることはできる。
野心ではない、たぶんこれは希望だろう。
ソレが今、この手の中にある。