text × sbr(ovaqe)
by nanook_mdfc5
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家を出た時には雨が降り出していた。
わざわざ部屋まで傘を取りに戻るのも億劫で
思いのほか、すぐにあがりそうな雨を信じて
バス停までの道のりを歩いた。
空が急激に晴れ渡って
一直線の雨のラインがキレイに輝いていた。
久々の天気雨。
どんどん濡れていくけれど
なんだ悪い気がしない。
僕の前を歩く黒ずくめの男が、
そんな僕と同じ心情のように
空を仰ぎ見てニコリと笑っていた。
持っていた傘をクルクルと回して
偶然にもボクらは同じバス停を目指していた。
とても印象的な風景にシャッタ−をきる。
黒ずくめの男とバス停に並んで
キレイですねーと話しかけたら
意外にも外人の人。
「そうですねー。」
と上手な日本語と笑顔で返してくれた。
すぐにバスは来てボクらは別々の席に座る。
でも、誰かと何かを共有することは
その日を彩るには十分なスパイスだ。
バスを降りる頃には雨はあがっていた。
by nanook_mdfc5
| 2007-12-10 23:58
| 写真
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